コラム
コラム
2010.08.04
面白本は面白い、少し読書三昧
数年前、人生既に折り返しと気付き、これまで気にかけていた古今東西の名著を読破しようと思い、知識人~大江 健三郎、加藤 周一、鶴見 俊輔、宮澤 喜一ら15人~が選ぶ岩波文庫100冊の本を購入しました。
目を瞑ってat randomにchoiceし、乱読をめざし、まず1冊目森 鴎外・高瀬舟そして2冊目親鸞語録・歎異抄。この位なら、学生の頃、読んでいるし、頁数も少ないし、clear。3冊目ゴーダマ・シッダルタ・仏陀の言葉 ほとんど理解不能。
そして次はファーブル昆虫記となりました。これが何と全20巻。第一巻は、たまこがねとあなバチ。先を急ぐのでvol2以降は後日としてパス。続いて、ガリレオ・ガリレイ 天文対話 上下という畏るべきマニアックなのをpick upしてしまった次第。無条件降伏を余儀なくされ、こうして岩波読破の野望は敢無く頓挫のオチとなりました。
そんな訳で以前から好きだったハードボイルド冒険小説一辺倒に逆戻りとなるのでした。
ミステリーといっても謎解き推理物は苦手で、義を重んじるストイックな主人公が居り、決して残酷ではなく叙情的で何かしら人間の尊厳や矜持が伝わってくるような切ない話に惹かれてしまいます。
小生には持ち合わせていない強い意志と正義感にずっと憧れて、活劇の虚構に浸っているところです。
船戸 与一・大沢 在昌・北方 謙三・原 尞・逢坂 剛・佐々木 譲 ・藤原 伊織・横山 秀夫等々挙げれば切がありません。
小生が最も贔屓の作家は志水 辰夫に尽きます。最初に読んだ行きずりの街に始まり、飢えて狼、裂けて海峡、背いて故郷といった作品群は情感あふれる物語、スリリングな展開、そして綿密なプロット故のラストの意外性と驚きに満ち、その込み上げる感傷と余韻は圧倒的です。
最後に今年上半期No1はスウェーデンのスティーグ・ラーソン著ミレニアム全3部作を挙げます。
かの児玉 清氏大絶賛の話題作なのです。孤高の女探偵が巨悪に挑むという社会性・ドラマ性とも申し分なしのお話で、お楽しみはじっくりと思い、急がずゆっくりと読み進めました。
さて次は、どの面白本を選ぼうかと思案している所です。乱筆乱文、恐縮至極でした。